史上最強のすっとこどっこい映画である。
こんなにすっとこどっこい以外の表現が思い当たらない映画はない。
コーエン兄弟にはシニカルに多少のコミカルで味付けしたような作品が多いが、これはそんなものではない。
とにかく一人として尊敬できる人間が出てこない。
全てはちゃらんぽらんでいい加減であり、怪優ブシェミ演じるデュードの友人の死すら塵ほどの重さもない。
遺骨が文字通り塵となり消し飛んでしまうのだ。
そしてラストは「人生は転がるワラのようだ」とくる。
彼らは、刹那主義を突き詰めて喜劇に行き着いてしまった。
絶望の果てに無常を感じる従来の哲学を嘲笑うかのように。
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