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2006-04-21

No.12 軍鶏

高校時代バイトしていたラーメン屋で『迷走王~ボーダー~』を読み耽って以来、たなか亜希夫には注目している。

ナルシマリョウは、果たして悪なのだろうか?

社会通念のみで言えば、答えはYESだろう。
だが、社会通念に沿っていては、それだけでは生きられない人々は数多くいる。
実は、社会通念とは権力者による抑圧の体裁なのであり、リョウは最も極端な形でそこからの逸脱と闘争を具現化した存在なのだ。
だから、リョウと出会った弱者達は、リョウに自己を投影し共感する。
それは、権力側に偶像として祭り上げられたスガワラとて例外ではなかったのではないか。

負の力で闘うリョウと、正の力で世に働きかけ続けたトーマの邂逅に、果たしてどのような結末を与えるのか。
ここまで描き切った作者の手腕に期待である。

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