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2006-08-12

No.48 ケンタッキーフライドチキン

子供の頃。たまに父が買ってくる、ケンタッキーフライドチキン。
それが我が家に姿を現わすと。戦争である。
3人兄妹に両親。そして大抵6ピースパック。1ピース余るのだ。
まず母が脱落する。いつだって自分から身を引く。1つ残してね、等と言い残し洗い物を片付けている。そもそも、さほど執着がない。
次は妹。私より7つ下である。スピードで勝負にならない。泣く、というリーサルウェポンは所持しているが、ケンチキでは発動しない。
ここからが、真剣勝負。
3つ上の姉は、手強い。弁が立つ上、食欲も女性の一生で一番旺盛な時期だ。
父は最大の強敵。何せ、酒と一緒に最初から3ピースほど確保する等反則使い放題。主は、やはり発言力が違う。
強敵を相手に編み出した私の必殺技。それは、
『気付かないフリ』
これだ。
まず、骨量の少ない胸か手羽元を狙う。
ひたすら食う。音速で骨までしゃぶりつくす。
蟹と一緒で、ケンチキを食う人間は手元に集中しすぎる面がある。
全員が手元を見た隙に、何食わぬ顔で2ピース目に手を伸ばすのだ。
かくて8割程の勝率で、半端1ピースは無事私の胃袋に収まるのであった。

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