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2006-11-07

No.58 雪

週間天気予報を、今朝から何度も見てしまう。
今週末、雪の予報が出ているのだ。
既に旭川や稚内では降っている。いよいよ、私の町にもやってきたのだ。

北海道に住んでいれば、好むと好まざるとに関わらず雪と付き合わされる。
疎ましく感じるときも、やはり私にもある。
それでも、やはり雪が好きだと思えるのは、その美しさもまたよく知っているからだ。
白いから、ふわふわしているから、そういう単純に視覚的なものだけが、雪景色の美しさの要因ではない。
雪は、音を吸い込む。聴覚を消す。
雪は、匂いを包む。嗅覚も消す。
五感のうち二つが失くなれば、自然と残りが研ぎ澄まされる。
肌をさすような冷たさの中で、ゆるやかな冬の日差しに輝く晴れた雪の朝。
大粒の綿雪がひらひら舞い降りる夜の電灯の下。
僅かに聞こえる、自分が踏みしめる雪上の足音だけがぎゅっぎゅっと鳴る中で。
一人歩いた美しい記憶は、私にとって大切なものなのである。

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